2022年9月 Google コア アルゴリズム アップデートに関する調査

日付
2022/10/7
タグ
CAU
筆者
Makoto ShinoharaMakoto Shinohara

2022年9月 Google コア アルゴリズム アップデートについて

Google は、2022年9月13日、コア アルゴリズム アップデートのリリースを発表しました。ロールアウトは9月26日まで続き、その間、検索結果にはさまざまなクエリで変動が見られました。このレポートは、このコア アルゴリズム アップデートについて、日本における日本語の検索結果に、どのようなジャンルで、どのような動きが見られたのかをまとめたものです。
定期的にリリースされるコア アルゴリズム アップデートに関して、インターネット上では数多くの情報が出回っていますが、誤解を生むような表現が多く、参考にはならないものが多くあります。誤った情報が過度に拡散されることを防ぐために、JADE では、コア アルゴリズム アップデートで何が起こっているかについて、弊社の見解を発表することにしています。この分析は、あくまで JADE が入手した情報に基づくものであり、Google 公式のものではありませんが、少しでも読者の参考になれば嬉しく思います。
前回のコア アップデートは、2022年5月のものでした。それに関する情報は、「2022年5月 Google コア アルゴリズム アップデートについて」にまとめてあります。

今回のアップデートの特徴的な動き

  • 弊社で計測している中では、健康系ジャンルでもっとも大きな動きがありました。一方で金融ジャンルに関しては32カテゴリ中8番目となっています。
  • 5月のアップデートと比較すると相対的に小さめな変動に収まっています。動いたサイトの中にも5月のアップデート前に近い水準に戻したものも散見されました。
  • 全体的な動向としてはサブディレクトリ貸しのようなユーザーのためにならない手法を取っているサイトや、コンテンツの品質の低いサイト、付加価値のあまりないようなサイトが下落している傾向にあります。
  • サブディレクトリ貸しのサイトについては貸した側のサイトも下落する動向が前回よりも多く発見されました。引き続きこれらの手法は非推奨です。
  • 検索結果上のSNSドメイン表示が長期的に増加、直近ではTikTokの表示が特に増えています。SNSを優遇するというわけではなくユーザーニーズの変化も背景に含まれていると考えられます。

全体ジャンル別動向

9月のアップデートで変動したジャンル

  • 今回のアップデートで大きく動いたジャンルは下記のとおりです。健康ジャンルがもっとも大きく動いており、マンガ・アニメ、天気と続きます。弊社観測内では金融は全32カテゴリ中8番目でした。

5月のアップデートと比較すると変動率は小さめ

  • 5月の変動幅と比較すると5月の方が大きく動いたものも確認されており前回のアップデートと比較すると相対的に小さめだったことが確認できます。特にYMYL系の動きはやや抑え気味となっています。
  • カテゴリごとに違いはありますが全体で見ると前回の変動の90%程度に収まっていました。
※前回のレポートより変動率の集計方法を変更し、host単位の動きをより確認できるようにしました。そのため前回のレポートと数値がやや異なっています。

変動したサイト例や傾向

5月の変動から戻ったサイトが目立つ

各ジャンルで5月の変動前に近い水準に戻ったサイトが目立ちました。上昇→下落、下落→上昇、いずれのケースでもサイト内に特別な変更をしていない場合には上下するボーダーに乗っていると考えてサイトの改善を進めていく必要があります。
健康ジャンル。特にそうした動きが目立ちます。
 

公共機関系の動き

官公庁サイトが伸びているという話が英語圏であったものの、日本ではそのような傾向は強くなさそうでした。go.jpのみで見ると下記の通りです。
健康ジャンルでの絞り込みでも極度の変化はない。国立がん研究センター(ncc.go.jp)がやや伸び。
金融系ジャンルの絞り込みでは長期的に伸びが確認できました。政府広報オンラインのお役立ちページ・注意喚起ページなどが上がってくることがあります。
 

サブディレクトリ貸しのサイトが大きく下落傾向

アップデート開始直後には大きな動きが確認できませんでしたが、弊社がウォッチしているサブディレクトリ貸しのサイトに関して後半に大規模の下落が確認できました。
以前より警鐘を鳴らされていたこれらの手法ですが、今回のアップデートでも特に目立った動きでした。また前回同様サブディレクトリ貸しだけでなく本体のサイトも影響を受けることが確認されており、非推奨の方法となります。
今回のアップデートで全てのサイトが下落したわけではないものの、変動前の上下幅を見てみると上昇したサイトよりも下落したサイトの下落幅の方が非常に大きいことが分かります。

サブディレクトリ貸しサイトと本体サイトへの影響

また、本体サイトの影響についても調査したところ多くのサイトがサブディレクトリ貸しの箇所だけではなく本体のサイトにも悪影響を及ぼしている傾向が強いです。
下記は本体(corp)とサブディレクトリ(spam)とで検索の見つけやすさの度合いを示しています。
 
例1)雑誌サイト
 
例2)大手メディアサイトA
 
例3)大手メディアサイトB
 
例4)直近1ヶ月でサブディレクトリ貸しを始めた特定ジャンルの検索サイト
 
例5)サブディレクトリ貸しではなく運営サイトと同じディレクトリ構成で同様のことを行っているサイト
 
本業と本業以外カテゴリを確認するといずれのカテゴリでも下落傾向が確認されました。URLとしては
  • https://www.spamsite.co.jp/category/0001(本業のページ)に対して、
  • https://www.spamsite.co.jp/category/0002(ハックページ)
のような構造になっているものです。
 
こちらが全体像。大きく下落。
本業と本業以外のカテゴリ(ハック)で大きく下落しています。

キュレーションや品質が低めのコンテンツ量産サイトの動き

よくある「おすすめの△△◯◯選」サイトの下落が各ジャンルで目立ったコンテンツ量産サイトの動きです。Lifestyleジャンルなどで目立った動きがありました。
単純に◯◯選が悪いというわけではなく、品質的な観点や広告数過多などの傾向が確認できました。

ユーザーに対して付加価値が少ない・目的に辿り着きづらいと思われるDB系サイトの動き

辞書系のサイトやその他のジャンルで辞書的な存在を担っているDB系サイトの動きも下落が確認されました。
特にジャンルをまたぐ辞書系サイトの影響は各ジャンルの検索の動きにも影響を与えています。
教育系カテゴリ。一見充実していそうなサイトでも広告が多く表示され阻害要因となったり、ユーザーの目的とは異なる内部リンクがあるサイトが目立ちます。

SNS周りの動き

前回のアップデートで検索表示の増加が確認されたInstagramが時間を掛けて増加〜元の水準に戻っていき、直近ではTikTokの表示が少しづつ伸びてきています。
SNSを利用するユーザーが増えているというのもありますがSNS全体での検索表示も増えていることが特徴です。
TikTokにおいては複数のプレビュー枠が表示されるなどの検索結果も生成されています。(「bts曲メドレー」「アルパカ 面白い」の検索結果)

この分析について

データについて
  • 各カテゴリでクエリセットを生成し、定常的に一定数のクエリ(十数万種)をモニタリングしています。
  • 順位については日々細やかな変動があります。Google 全体の動きを把握しているわけではなく、正確性を保証するものではありません。単に一部分のクエリをベースにしたトレンドの観測として捉えてください。
表示回数スコアについて
  • クエリにおける順位をベースに、重み付けした数値を合計することで、計測クエリセットにおけるホストの見つけられやすさをスコア化しています。