ROAS3倍。事業の段階に合わせた臨機応変なサポートで貢献した、アニウェア様への広告運用コンサルティング事例

 
 

ROAS3倍。事業の段階に合わせた臨機応変なサポートで貢献した、アニウェア様への広告運用コンサルティング事例

アニメやゲームのキャラクターをモチーフにしたファッションアイテムを展開するサイト「SuperGroupies」。そのEC事業を運営するアニウェア社が、JADEとの連携で大きな広告効果を実現しました。単なる広告運用代行を超えた"ビジネスパートナー"としての関係性が、どのように構築されたのか。アニウェア社取締役プロデューサーの 稲田貴之さんに詳しく伺いました。
 

 

プロジェクト概要

深いカルチャー理解がないとできない言語化「これは、◯◯と▲▲が合体した造語です」

ーーJADE立ち上げ前からのお付き合いとうかがっています。それ以前の広告運用の状況はどういったものだったのでしょうか?
稲田 広告業界でも有名な会社に広告運用をお願いしていました。ただ先方の担当者さんとの相性もあってコミュニケーションに課題があり、運用はうまくいっていない状況でした。やはり商材やその背景となるカルチャー、それを取り巻くシーンへしっかりと向き合えなかったのが、運用がうまくいかなかったことの遠因と感じています。
ーーJADEとの出会いはどのようなきっかけだったのでしょうか?
稲田 もともとはso.laの辻さんから小西さんとハイパス株式会社を紹介いただきました。小西さんとは「すごくオタクの社員がいて、関係ない商材ばかりやってるから、たまには息抜きもさせてあげたい」といったざっくばらんなお話を最初からできました。双方のカジュアルなコミュニケーション構築に良かったと思います。
ーー現在ではどのような体制でしょうか?
小西 今でも協力体制でやっている感じです。100%我々が運用しているわけではなく、広告作成やターゲット設定などはアニウェアさんもやってくださっています。我々は運用担当のぼぶたむを中心に全体の入札管理や予算管理、管理画面の使い方のサポートをしています。協力体制は当初から振り返ると完全代行から完全インハウス、そして今はハイブリッドなものにその時々で形を変えており、アニウェアさんのさまざまな変化に応じて適切なサポートができているのではと思っています。
稲田 こちらでもやらせてもらってますが、ぼぶたむさんいないと無理ですよ(笑)。私だけでは各プラットフォームの管理画面の変化についていけないです。
ぼぶたむ アニウェアさんはコミュニケーションがスムーズで、こちらの提案をしっかり聞いてくださるので本当にやりやすいです。特に広告の成果報告をして、継続か停止かの判断を素早くいただけるのがとても助かっています。
ーー稲田さんは初期の取り組みで印象に残っていることはありますか?
稲田 検索キーワードに対する理解ですね。キーワードを最初に洗い出すのですが、われわれだけだと「これは日本語?」というレベルでした。垣本さんは「これは、◯◯と▲▲が合体した造語です」と説明してくれました。我々も理解していなかったカルチャーやシーンを整然と言語化してくれたんです。いまでもこの検索方法や検索クエリは理解できていませんが(笑)、考え方は現在の他の事業にも役立っています。
垣本 当時はアニメやゲーム好きの間で「検索避け」の文化がとても強かったです。「自分たちの楽しんでる姿を見られたくない」「興味ない人に『私たちの会話』を見せたくない」。だから「いかに隠れるか」を考えながら言葉を使ってました。pixivやTwitter(現X)にはそういうのが山ほどあったんです。いろんな言葉の掛け合わせで、投稿数の多いものを探したり。コミケのサークル情報も参考にして、特定の言葉を拾っていく。すごく楽しかったですよ。
小西 上司なのに垣本が言っているキーワードが全く理解できませんでした(笑)。自分自身が知らない言葉で検索されていて、コンバージョンが取れているのが驚きでした。
ーーそのようなJADEの姿勢が、選んだ決め手になったのでしょうか?
稲田 そうですね。我々も気づいてなかったカルチャーやシーンを言語化してくれることで、JADEは単なる広告運用の技術だけでなく、SuperGroupiesのビジネスと顧客を深く理解しようとする姿勢を示してくれました。これはJADEを選んだ大きな理由の一つになりました。

切り替えたらすぐROASが3倍に。驚きの成果と“愛される”広告

ーーJADEが広告運用を始めてから、具体的にどのような成果が出たのでしょうか?
稲田 正直、こんなに売れるとは思ってませんでした。予想を大幅に上回る売上数字だったんです。ROASが急に3倍ぐらいにボンッと増えたんです。それで、僕はてっきり「ROASってこんなもんなんだ」って思っちゃったんですよ。でも、よく考えたら、あの数字って普通じゃないですよね?異常に良すぎたんです。
ーー具体的な数字で言うとどれくらいだったのでしょうか?
稲田 800%ぐらいだったのが、2,400%とか2,500%は普通になりました。途中からROAS2,000%を保ちながら、売り上げを上げていったんです。今思うとすごい数字ですよね。2,000%切らないように運用してくれって、めちゃくちゃなこと言ってましたよね?
小西 そうですね。2,000%から3,000%ぐらいで運用していました。ROASを3倍くらいに上げつつ、それを保ちながら、売り上げを多分その2、3年かけて、弊社に変わってから10倍とかいっているはずなんです。
ーー売上10倍というのは、どこを基準にしての数字なのでしょうか?
稲田 JADEに変えた瞬間に10倍になったんです。漫画みたいな成長でした。
ーーそのような劇的な改善の要因は何だったとお考えですか?
垣本 主に2点あります。1つ目はターゲティングです。単に作品名を検索する人ではなく、コアなファンが何を求めているかを見極め、適切なターゲット設定ができたことです。2つ目は広告文などのクリエイティブ面です。各作品の熱心なファンは強いこだわりを持っています。そういった方々に対して、安易な「コラボしました」といった表現では逆効果です。ファンの気持ちを理解した上で商品を作っているという姿勢が伝わるような広告文を心がけました。
ーーそれに対して、どのような反応がありましたか?
小西 当時、一般の方が「SuperGroupies広告まとめ」を作成していたことを覚えています。特にTwitter広告について、「SuperGroupiesの広告は絶対に熱心なファンが書いている」という評価がありました。
垣本 はい、そうした反応がありました。各キャラクターに合わせて個別にバナーを作成し、それぞれ異なる広告文を用意しました。その結果、「私の画面には〇〇くんが表示された」「〇〇くんの画像を持っている人はいませんか」といった反応が見られました。広告でこのような好意的な反応を得られることは珍しく、とても嬉しかったです。
稲田 普通、広告は嫌がられがちですからね。広告が喜ばれるというのは、本当にすごいことです。
垣本 データ活用の事例ですとアナリティクス分析があります。アナリティクスでは「A」というタイトルの商品を買った人が「B」というタイトルの商品も買っていることが見えるんです。そこから、この作品とこの作品はファンが重なっているかもしれないと推測して、ターゲティングに活かしたりします。特殊なケースになりますが、若者向けのアニメなのに購入者データを見ると意外と60代の方が買っていて、しかもギフトボックスも一緒に購入しているケースがありました。「これは孫へのプレゼントかもしれない……」と考えて、そういった使い方を想定した広告文を入れてみたりしました。
稲田・小西 鬼滅の刃の時!
垣本 「すぐ届くからギフトにもいい」「入学祝いにどうですか」といった広告文を入れたりしました。
ーー現在運用を担当されているぼぶたむさんはいかがですか。
ぼぶたむ 今はそこまで深くは踏み込んでいませんが、ダッシュボードを見て、このタイトルは広告よりソーシャルの方が効果的だから広告配信は控えようとか、ターゲティングもXよりGoogleの検索の方がいいかもしれないといった判断を常にしています。

投げかけた課題を全部キャッチしてくれる

ーーJADEの提供するサービスに価値を感じている点はどこでしょうか?
稲田 繰り返しになりますが、カルチャーの深い理解ですね。我々も気づいていなかったカルチャーやシーンを整然と言語化してくれました。
また、データ分析とダッシュボードの活用も素晴らしかったです。LookerStudioを使ったダッシュボードを提供してくれて、それが非常に役立ちました。
ーーそのダッシュボードはどのように活用されていたのでしょうか?
稲田 日常的に何か起きるたびに確認していました。毎日5分とか10分とか見にいくものですよね。それで何か引っかかるところがあったら、すぐに対応できました。手触りが悪い中、今日の湿気によって何かうどんの分量変えるじゃないですけど、そういう種類の仕事ですよね、ダッシュボードの使い方って。
ぼぶたむ そうですね。定点観測をしてちょっと気になったのがあったら少しだけ深堀る。それが効果的だと思います。
ーーJADEとの長期的な協力関係は、どのように変化していきましたか?
稲田 最初は完全に運用をお任せしてましたが、徐々に我々も広告運用のノウハウを学び、段階的に内製化していきました。JADEは我々の成長に合わせて、サポートの形を変えてくれました。
小西 そうですね。完全代行から、完全インハウスになって、また何か一緒にやってるハイブリッドな感じになりました。事業会社さんに売り上げが上がったり下がったり拡大したり人が減ったり増えたりいろんなフェーズがある中で、適切にうちが力を貸せたらと思っていて、それができているんじゃないかと思っています。
ーー知識やスキルの移転はどのように行われましたか?
稲田 JADEの方々、特に現在運用を担当してくれているぼぶたむさんが丁寧に教えてくれました。Slackでサクッと送ってくれて、それも画像付きで必ず送ってくれるんです。「ここをこうするんだな」というのがよくわかりました。最初の方はかなり時間をとってやってもらいましたが、今では基礎的なことを短い時間でサクッと伝えてもらっています。
ーー日々の運用におけるJADEのサポートで特に印象に残っていることはありますか?
稲田 レスポンスの早さと問題解決力ですね。僕が投げかけた課題を全部キャッチしてくれている。大船に乗った気分で、安心してお任せできる感じです。特に心理的なサポートが大きいですね。広告の管理画面が突然変わったりすると不安になるんですが、JADEがすぐに対応してくれるので安心です。
ぼぶたむ 広告プラットフォームの変更は本当に頻繁で、我々も戸惑うことがあります。でも、一緒に解決策を見つけていくことで、互いに学び合える関係が築けていると思います。

できない約束はしないし、「それはできません」ってはっきり言ってくれる

ーーJADEとの取り組みを通じて、最も大きな収穫だと感じていることは何でしょうか?
稲田 最も大きいのは、ビジネスパートナーとしての信頼関係ですね。JADEは単なる広告代理店ではなく、我々のビジネスを深く理解し、一緒に成長してくれる存在です。何か課題があれば、すぐに相談できる。そんな関係性が築けたことが、とても大きいです。
ーー具体的にどのような場面で、その信頼関係を実感されましたか?
稲田 例えば、広告をやめるべきかどうかの判断を求められたときです。普通、広告代理店なら「続けましょう」と言うところを、JADEは「この商品はSNSでの展開の方が効果的かもしれません」とか「ここは広告を控えめにして、別の方法を試してみましょう」といったアドバイスをくれるんです。本当に我々のビジネスのことを考えてくれているんだなと感じます。
垣本 正直に言うと、はっきりものを言うのはそこまで得意ではないんです。ただ、例えば新しいコラボの話が来たとき、「なるほど、厳しそうですね」と率直に伝え、「もう少し媒体を絞ってやりましょうか」といった提案はしていました。広告配信したいタイトルのリストをいただいたとき、力を入れるべきところとそうでないところを見極めて、そのままお伝えします。特に「正直でいよう」と意識しているわけではないんですが、優先順位をつけていくと、自然とそういうコミュニケーションになるんだと思います。場合によっては公式アカウントにリポスト(リツイート)してもらう方が断然効果的なこともあります。無理に広告費をかけるより、広告でしかリーチできないターゲットに絞ってお金を使うなど、そういった判断もさせていただいていました。
小西 我々としても、単に広告費を増やすことが目的ではなく、アニウェア社の事業成長に貢献することが最大の目標です。時には広告を控えめにすることを提案することもありますね。
稲田 すごいと思いませんか?広告運用代行の会社が「この場合は、広告はやらない方がいい」って言うんですよ(笑)。できない約束はしないし、「それはできません」ってはっきり言ってくれる。
小西 できないことははっきり言いますね。
稲田 そう、だからすごく相談しやすいんです。「できない」って言われると逆に時短になるんですよ。「そうか、これはできないんだ。じゃあ他のこと考えよう」という具合に進められる。嘘つく人って「できる」って言ってしまって、後から「やっぱりできないな」ってなりますよね。そういう時間の無駄がない。だから何でもわからなかったら聞けるんです。
ーー社内の体制や働き方にも変化はありましたか?
稲田 はい、大きな変化がありました。JADEのサポートのおかげで、我々も少しずつ広告運用のスキルを身につけていきました。小西さんも触れてましたが完全外注から、徐々にインハウス化し、今ではハイブリッドな形で運用しています。この過程で、社内のマーケティング力も大きく向上しました。
ーー今後のJADEとの取り組みで期待することは何でしょうか?
稲田 新しい広告プラットフォームへの挑戦ですね。特にDiscordなど、我々のターゲット層に近いプラットフォームでの展開に期待しています。
小西 新しい挑戦に一緒に取り組めることを、我々も楽しみにしています。アニウェア社の成長と共に、我々も成長していけたらと思います。

クライアントとの関係に根ざしたJADEのWeb広告運用

アニウェア社とJADEの事例から、理想的な広告運用代行との関係性が浮かび上がってきます。それは単なるサービス提供者と顧客という関係を超え、互いの成長を促進し合うパートナーシップといえるでしょう。

稲田 理想的な広告運用代行は、単に広告を出稿するだけでなく、クライアントのビジネスを深く理解し、共に成長していく存在だと思います。JADEとの取り組みを通じて、そのことを強く実感しました。彼らは我々の商品やターゲット顧客を深く理解し、時には広告以外の方法を提案してくれることもあります。そういった誠実さと専門性の高さが条件だと考えています。
小西 クライアントのビジネスゴールを達成することが最優先であり、そのためには時に「広告を控える」という選択肢がうまれることもあります。そういった判断ができる関係性をこれからも保ちます。
現代の広告運用代行の役割は、デジタルマーケティングの進化と共に大きく変わってきました。アニウェア社とJADEの事例では、単に広告を出すだけでなく、データを分析し、戦略を立て、さらには顧客側のスキルアップまでサポートしたことをお伝えしました。 このような関係を築くためには、お互いを深く理解し合うこと、高度な専門知識、そして何よりも誠実なコミュニケーションが欠かせません。デジタルマーケティングがますます複雑になる中で、このようなパートナーシップの重要性は、今後さらに高まっていくとJADEは考えています。

 
担当コンサルタントからのコメント
JADEの広告運用では、「商品を買ってくださるお客さまがどのような人なのか」という点を非常に重視します。アニウェアさまとのお取り組みの中では、広告のデータを最大限活用するのはもちろんのこと、アナリティクスツールを用いた分析、SNS等での情報収集など幅広く取り組んできたことが結果に繋がったと実感しています。今後もアップデートを続けながら、最大限のご支援をお届けできるよう努力いたします。
垣本 晴美 KAKIMOTO, Harumi Strategist