【注意喚起】Google Maps最適化(MEO)業者への依頼は大きなリスクがあります

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Google Maps最適化、MEOの悪質な業者への対応の記事です。

長い記事になりましたので、どうしても伝えたいことを3行でお知らせします。

  • Google Maps最適化、MEO業者は多くが悪質でリスクが有ることを知ってほしい
  • Google Mapsの悪質業者、スパマーと戦うために、利用されている方は「情報修正」「通報」の協力をしてほしい
  • プラットフォームには、より迅速にガイドライン違反に対処してほしい

では本文です。

(株式会社JADE 辻正浩)

はじめに

Google MapsやGoogle 検索からアクセスできる地図の影響力は拡大を続けています。

来客してもらうビジネスでは、Webページを作るよりもGoogle Mapsでのビジネス情報の正しい登録、Google My Business(Googleマイビジネス)の活用のほうが重要と考える人もいますし、それは状況によっては正しいこともあります。

この中、Google Mapsの最適化を謳う業者も増加しています。

このような業者はMEO、Map Engine Optimizationというよくわからない造語で営業しています。これはGoogle Maps のアクセスが増えた10年ほど前からありましたが、最近明らかに増えています。

そして最近このGoogle Maps最適化を謳う業者の多くはスパム行為、ガイドライン違反行為に手を染めています。

このスパムはこれまで大きな問題ではありませんでした。スパムに対するリスクが非常に小さくどれだけスパムを行っても店舗側への悪影響は少なかったのです。

しかしそれは今年一変しました。Google Mapsへのスパム行為は極めて大きなリスクを伴うようになりました。

この記事では、このスパム行為の詳細とそのリスクへの注意喚起、そして被害に合わないためのポイントをご紹介します。

Google Mapsとスパムサービス

検索結果に地図

検索結果に地図が表示されるのをご覧になったことがあるとおもいます。

地図情報はGoogle MapsだけでなくGoogle 検索やAndroidの一部機能など、Googleのサービスで多く見られます。

この店舗情報は、Googleが自動収集したデータをもとに整理されて表示されることもありますが「Google My Business」という無料サービスを使って店舗運営者が直接登録してある場合が多いものです。

最近、Googleは明らかにこの地図情報への動線を強化しています。それと合わせて広告などマネタイズも強化されており、収益の柱としていく意図が窺えます。

それに合わせてこの地図登録情報、Google My Businessの内容をより集客につながるように最適化する動きもあります。

スパム事例1

スパム事例2

このように店名を過剰に盛った内容に気づくことも多いでしょう。

これらはすべてGoogleのガイドライン違反です。

Google My Businessのガイドラインでは下記のように説明されています。

明確に店名に店名以外の情報を入れる事は禁止されています。

ここに入れられるのは「継続的に使用し、顧客に認知されているもの」のみですが、このガイドラインを無視する店舗が非常に多く存在しています。

これは2019年6月現在、私の環境で「人気」と検索した検索結果ですが、ガイドライン違反が多く上位表示されています。

ガイドライン違反の検索結果

 

Google Mapsでの検索の評価には店名が極めて大きな影響力があり、Google Mapsでの上位表示を行うためには店名にキーワードを入れるのが効果的です。

そのため、Google Mapsでは店名にキーワードを詰め込むスパムが多く行われてきました。

このスパムが流行した背景としてスパムに対するリスクが小さいことがあります。よほど悪質なことを行わない限りは、店名をガイドライン違反にしても放置されてきたのです。著しいスパムを繰り返し行っても、店名変更不可にされる程度の対応が主でした。

このようなガイドライン違反は、利用ユーザからの「情報の修正」申請で対応されます。しかし悪意ある修正もありますので、すべての修正が反映されるわけではありません。多くのガイドライン違反は放置され、上位表示に影響していたのです。

しかし、数年前までのGoogle Mapsはあまり集客に影響がありませんでしたので、スパムもそこまで多いものではありませんでした。あまり儲からない場所ではスパムも価値がありませんので。

 

しかし、今は状況が変わりました。

非常に多くのGoogle 検索結果にGoogle Mapsが差し込まれるようになりました。

Androidであれば趣味趣向に合わせてGoogleがおすすめの店を知らせてくるような機能も追加されています。

多くの人がスマホを活用するようになり、Google Mapsの地図情報が行動に与える影響が強くなってきています。

それを背景に、スパムを行う人がどんどん増えていったのです。

 

Google Mapsはもはやプラットフォームと言えるでしょう。その情報はインターネットユーザのインフラとも言える状態になっています。スマホ、特にAndroidユーザにとって地図情報は極めて重要な情報です。そこをスパムで汚染する悪影響は大きいものです。

この状況に対して今年の頭にGoogleは通報フォーム(英語)を用意しました。

通報されるとどうなるのでしょうか。

様々な対処がGoogleによって行われますが、時には「Google Mapsからの登録抹消」という激しい対処まで行われます。これまでと違い、スパム行為は極めて大きなリスクを伴うようになったのです。

通報による影響

実際の通報の影響を見てみましょう。

 

スパムに対して、まずGoogle Maps上から「情報の修正」を行います。

お店の状況と修正者の属性によって異なりますが、申請した内容は即時反映される場合と、審査が入った上で反映される場合に別れます。

頻繁にこの情報の正しい修正をしている人による通報でしたり、多くのガイドライン違反をするような店舗の場合は即時反映される場合が多いです。

私はここ数週、毎日30ほどの通報をしています。通報の結果はこの様にメールで届きます

この多くが「公開しました」というメールで、情報修正がGoogle Mapsに反映され、ガイドライン違反状態の店舗が集客できる状態が終わったことが分かります。

 

この一度の「情報修正」でガイドライン違反が終われば、問題はありません。一度のガイドライン違反は店舗側にとって大きな問題にはなりませんので。

しかしこれを店舗側が再修正してガイドライン違反の状態にすることがあります。

その場合、それに対してまたユーザ側で修正を行い、オーナーがまた違反状態に戻す、という編集合戦が行われることになります。 このガイドライン違反状態への編集合戦が発生した場合、稀にオーナー側の編集権限が無くなったり、店舗の表示が固定される場合もありますが、多くの場合、編集合戦は続きます。

 

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これは私のとあるガイドライン違反を行う一つの店へ修正結果のGmailの履歴です。

10日で16回の修正を行っていますが、その1時間以内にオーナーはガイドライン違反状態へ書き換え直してきました。

とある店舗で試しに朝9時から朝5時まで、1時間に1度の修正を2日続けてみましたが、昼夜問わず数分でオーナーがガイドライン違反状態に戻していました。

これは、一部のGoogle Maps最適化業者がスパム状態の維持を自動化しているためと思わます。

このような悪質な対象には、普通に「情報の修正」を行っても無意味です。繰り返したガイドライン違反を止めるには、通報フォームから通報を行う必要があります。

そうするとどうなるのか。私が5-6月に通報を行ってみた結果、著しい繰り返したガイドライン違反は、数日~十数日後にはGoogle Mapsから情報が消されます。

これは、とあるガイドライン違反を繰り返し行っていた店名での検索結果ですが、通報後5日でこのように検索されなくなりました。Google Maps上からすべて消去されています。

この2ヶ月、繰り返しガイドライン違反を行う20を超える店舗へ通報してみましたが、結果、そのほとんどが削除されています

削除された場合、再申請で戻るケースもあるようですが、多くの店舗ではGoogle My Businessへゼロからの再登録が必要となります。

登録情報が消されることは、Google Maps上で一時的に情報を探せなくなるだけではありません。過去に積み重ねたGoogle Maps上での評価をリセットされ、また、多くの利用者が投稿した口コミや写真など合わせてすべてが表示されなくなる事態です。

多くの人にとってインフラともなるGoogle Mapsにおいて情報が削除されるのは問題と考える人もいるかもしれません。それには正しさもあるでしょう。

しかしそのようなインフラとなる場所でのスパム行為は望ましいものではありません。しかも、スパムを指摘されたにもかかわらず繰り返し違反行為を続ける行為は許されるべきではありません。

Googleは様々な形でスパムに対する規制を行っていますが、ただ一度のスパム行為で厳しい措置を行うことは極めて稀です。しかし再犯スパマーに対しては最大級に厳しい措置を行ってきました。

SEOに関わるスパムの中で有名なリンクスパムでも、初回はあまり大きな問題にはなりません。スパムリンクをすべて外して申請を行えば、ほぼ元の状態に戻ることが多いものです。

しかしそのあと、2度、3度とスパムを繰り返した場合には対処が変わります。何をやっても元の順位に戻らず、そのサイトは永久に検索エンジンからの高い評価を得られなくなります。

これを私は当然のことと思います。繰り返し行われるスパム行為に対して同じペナルティでは意味がありません。

多くのGoogle Mapsの最適化を謳う悪質なサービス提供者は、ガイドライン違反の繰り返しの意味がわかっているはずです。問題を指摘されたにもかかわらず同じ問題を繰り返すことがどのような結果を迎えるのかがわかっていたはずです。にもかかわらず、それを行う事業者が非常に多くいます。

もしそれをわかっていなかったのなら、ガイドライン違反行為のリスクを把握もせずにそれを顧客に負わせる極めて無能な業者です。

わかっていてやっていたのならば、極めて悪質な業者でしょう。

 

現在、Google Maps最適化の業者の多くはこの店名のガイドライン違反を行っていますが、他にも「口コミの偽装」、ステルスマーケティングも行われています。顧客への好評の偽装の他、競合への悪評の偽装なども問題です。

現状、それが露見して罰せられることは稀ですが、いつかその問題は露見するでしょう。そしてそれは今回のタイトルのガイドライン違反同様に激しい対処がなされるはずです。

決して、安易にGoogle Maps最適化業者への依頼は行うべきものではありません。

悪質なGoogle Maps最適化業者のターゲットは、飲食店から宿泊施設が中心でしたが、最近は美容・理容店、病院・医院から弁護士・税理士といった士業まで、どんどん広がりつつあります。そのような店舗が地道に積み上げてきた店舗の価値を一気に失うリスクを持っているのです。そのリスクに店舗オーナーは多くの場合気づいていません。Google Maps最適化業者が勝手に行っているのです。実際の手法は説明していないわけで、ある意味店舗オーナーは被害者とも言えます。

もしあなたがこのような業者に依頼していた場合、直ちに契約を見直してください。

そして、この記事を読まれているあなたの知っている人がガイドライン違反店舗の店員にいる場合は、ぜひこのリスクを伝えてください。この記事のURLを伝えて、直ちに悪質な業者との契約解除をおすすめしてください。

協力のお願い

さて、上記のような問題を発見された場合、どうするべきでしょうか。

わたしはこの記事を読まれた方にご協力をお願いします。情報の修正と通報を行ってください。

まずは、下記の手順で「情報の修正」をされることをおすすめします。

たとえばこのようなガイドライン違反店名のクリニックを通報してみましょう。

下部にPCでは「情報の修正を提案」、スマホからですと「情報を修正」というリンクがあります。

ここを押すとこのようになります。

「名前またはその他の情報を変更」をクリックします。

名前を修正します。

店名だけですからこうですね。

修正したらPCでは下部の「送信」、スマホでは右上の三角形を押します。

完了画面が表示されます。なお、スマホではこのような画面です。

(このお礼の5ポイントはPCからでも同様に付与されます。)

 

このような編集を行った結果、前述したように編集合戦に突入し5-10回ほど編集を行ったうえでもガイドライン違反が繰り返されるようでしたら、こちらのURLからGoogleへの通報をおすすめします。

この通報ページは2019年6月現在英語版しか用意されていません。通報も英語で行う必要があります。

通報の際に記載する内容を説明します。

名前

まずは通報者のことを記載します。

名前欄です。こちらは通報先に知られることは当然ありませんので安心して本名を記載して良いはずです。英語での記載となります。

メールアドレス

メールアドレス欄です。こちらも同様に通報先に知られることはありません。

所属団体

所属団体です。こちらは正直に書いて良いと思いますが、「None」等でも審査に影響しないはずです。

違反箇所

ここからは通報先についての記載です。

まずはどこが問題かを記載します。今回の場合はこのように「Title」を選びます。

URL

これが少し悩むかもしれませんが、問題ある通報先が詳細画面として表示されている状態のURLです。上で説明したクリニックでしたらこういうURLになります。

なお、この通報では、「Add additional」で複数の通報先を同時に通報すること、また、ファイルアップロードでスプレッドシート等に通報先をまとめて通報することも可能です。

(私はこの機能を使わず、一つひとつ通報することにしています。)

問題内容

自由筆記での問題点の指摘です。

今回のような、何度「情報の修正」を行ってもすぐにオーナーがガイドライン違反状態に戻してくる問題の場合、下記例文のような通報をお試しください。

This title is clearly in violation of the Google My Business policy: "Including unnecessary information in your business name is not permitted".

I have submitted multiple applications to correct the information (修正を行った回数) times recently. However, the owner keeps reverting the title back to the violating state immediately after the correction is reflected.

Please confirm and take appropriate actions.

 

通報の利点

この情報の修正・通報をすることには、通報される方にも様々な利点があります。

悪質な店舗へアクセスが奪われるのを防ぐ

Googleがその検索結果に地図を出すキーワードはどんどん増えてきています。

数年前には[ラーメン][ホテル]などの明確な場所を求める検索にしか出ませんでしたが、今では[ダンス][育児][ネコ]といった検索でも地図表示がされるようになりました。

おそらくそれは、今後さらに拡大するでしょう。

もしあなたがWebサイトを運営しているなら、あなたが上位表示されている検索結果でサイトの前後に地図が現れているのを見かけることもあるでしょう。

このときに、この地図に表示されている店名がガイドライン違反で、「おすすめ」「人気」などの目を引く単語が羅列されていることを見つけたら、直ちに情報修正・通報をされるべきです。

ガイドライン違反で目を引く内容になっている状態を解除すると、あなたのサイトへのアクセスは増えるはずです。

私は顧客のサイトで何度も試しましたが、地図直前・直下に自分のサイトが表示される際に地図上のガイドライン違反を潰すだけでCTRは数%伸びます

非常に簡単かつ効果のあるSEO施策です!

ローカルガイドの点数稼ぎ

上記の情報修正は、1度行う度にGoogleローカルガイドとしてのポイントを5点もらえます。

このローカルガイドのレベルを上げると

  • 「Google Maps関連の新機能をいち早く使える」
  • 「Google Maps上で自分の投稿が目立ちやすくなる」
  • 「情報修正が通りやすくなる」

などといった利点があります。

上記の情報修正は、最初は1通報40秒ほどかかるでしょうが、慣れますと10-20秒でできるようになります。

Google Maps上で[おすすめ]など、店名に入っていることが少ないものの集客したいだろうキーワードで検索すると、あっという間に通報先は確認できます。 そういうキーワードは[人気][送別会][おしゃれ][にきび][接待]など、たくさんありますので使ってみてください。

慣れると10分で30件は情報修正が可能で、150点稼げます。

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ポイント、レベル、バッジについて - ローカルガイド ヘルプ

Google Maps上で目立つバッチが得られるのはレベル4、250点です。早い人では2-30分でその称号が得られることでしょう!

エコシステムを守ること

そして、このガイドライン違反への情報修正と通報は、インターネットのエコシステムを守る行為となります。

それは、エコシステムへの参加者として一番大きな利点ではないかと考えます。

エコシステムからの被害者を減らすために

この記事では、Google Maps上での悪質な業者の問題の注意喚起と、スパマーと戦う方法をご紹介しました。

本来このような問題は、Google が自前で迅速な対処を進めてもらいたいところです。本文中に記した通り、通報に基づいて厳格な対処を行っている部分は評価できますが、「即時反映されず審査になると違反が放置されるケースが多い」「未だに通報は英語のみ」など、通報フローに関しても不満点は数多くあります。

Google であれば、こういったスパムに対して、検索エンジン上のウェブスパムに対して行ったように、手動対策やアルゴリズムを通じて迅速かつ広範な対処を行うこともできるはずです。にも関わらず、事実としてそれは行われていません。社内で問題として気づかれていないか、あるいは優先度が低い問題と見られてしまっています。こう言ったプラットフォームの姿勢は、明確に問題です。

 

ただ、この問題はGoogleだけに任せるべきものでは無いと私は考えます。

たとえば、Googleの主事業であるWeb検索ですら、そのスパムにGoogleだけで対応できず、ユーザの協力を求めています。

インターネットのエコシステムを構成するのはプラットフォーマーだけではなく、その利用者も含まれます。有益なエコシステムを成り立たせるには、企業だけではなく利用者の協力も必要です。

そして現在、この中にはエコシステムに寄生する悪質な業者も含まれてしまっています。飲食店経営者などインターネットに詳しくない人を騙してリスクを負わせて利益を上げようという悪質なGoogle Maps最適化業者はその一つです。

いまのままだれも警戒しなければ、今後更に被害者は増えていくことでしょう。

 

悪質な人たちに地図情報を良いようにされてはなりません。

自分が所属するエコシステムで被害者が増え続けるのを見逃すべきではありません。

悪質なスパマーとは戦うべきです。

 

ぜひ、下記の2つだけでも考えてみてください。

「知っている店が騙されていたら注意喚起すること」

「自分が関わる業界の検索結果で違反を見つけたら情報の修正・通報を行うこと」

このような問題をしっかりと多くの人が認識することは、悪質な業者の活躍の場を減らす事になりますし、プラットフォーム側での改善への注力度を上げる事にもなると考えます。

 

私も今後もこの情報の修正と通報を続けるつもりです。

もし皆様もその流れに加わってくれたのでしたら、自分も便利に利用しているエコシステムがより便利になりますので、とても嬉しくおもいます。